蒸気船マークトウェイン号

1:20 Louis Edward 0 Comments

東京ディズニーランドにある唯一の本物の船を使ったアトラクションで、そして個人的に好きなのに、あまり魅力が知られていない蒸気船マークトウェイン号について紹介したいと思います。

概要

蒸気船マークトウェイン号は1850年代にミシシッピ川で活躍していた外輪船をスケールダウンして再現したアトラクションで、アメリカ川を約12分かけて一周します。アトラクションの定員が驚異の475名であることからスタンバイはパークが空いていても、入場規制がかかるほどの混雑でも20分程度になっています。そのため悲しいことに休憩所扱いになってしまうこともありますが、実際船内のいたるところに座れるベンチが存在しています。(もし"休憩"されるなら3階デッキ船体中央のソファー席がお勧めです)

ちなみに、「蒸気船マークトウェイン号」の由来はウォルト・ディズニーがファンだった作家マーク・トウェインだと言われています。そしてさらに作家マーク・トウェインの「マーク・トウェイン」は実は本名ではなくペンネームなんです。彼の本名はサミュエル・ラングホーン・クレメンズといい、彼のペンネーム「マーク・トウェイン」は川を蒸気船が航行する際に、船が座礁せずに安全に航行できる水深を確認する水先人たちの合図に由来します。なぜ彼がこの合図を知っていたのか?というと実は彼が水先人として働いていたから、なんですね。また上記の話は蒸気船マークトウェイン号に乗船している間に放送されるランドルフ・ノックス船長とジェイコブ・ブラッグス一等航海士の船内放送で詳しく聞くことが出来ます。この話の他にも様々な話を聞かせてくれるので、二人の会話に耳を傾けてみてください。

歴史的視点

蒸気船マークトウェイン号は公式サイトで"水上の宮殿"と呼ばれてしまうほど美しい船ですが、この船かなり見慣れない形状をしていますよね。1番見慣れないのは船尾にある外輪(水車みたいにくるくるしてるドラム缶的な形のヤツ)でしょう。短編アニメーションに登場する蒸気船ウィリーやTDSでゲストの足として活躍するトランジットスチーマーラインのような外輪が左右についた両舷側式に大きく分類されます。

帆船が主役だった18世紀以前から蒸気機関の発明により19世紀から蒸気船の時代がやってきます。初期の蒸気船はマークトウェイン号やトランジットスチーマーラインのような外輪船が主役だったのですが、如何せん外輪船は欠点(外輪が波浪で破損!両舷側式だと船体が傾くたびに左右の推進力に差が出ちゃう!軍艦の場合弱点の推進器が丸見えで!etc)が多く、続いて発明されたスクリュープロペラを利用したスクリュー船に地位をあっという間に奪われてしまいました。 しかし欠点があれば利点もあり、外輪船は水深が浅くても(マークトウェイン=約3.6m)航行が可能だったので波の穏やかな河川や湖での運行は得意でした。実際この蒸気船マークトウェイン号の設定も"1850年代にミシシッピ川で活躍していた外輪船をスケールダウンして再現した"となっており、しっかり史実?に対応しています。
ちなみに、このような外輪船はディズニー映画「プリンセスと魔法のキス」にも登場しています。登場してきた理由は簡単で、この映画の舞台が1920年代のミシシッピ川河口の町・ニューオーリンズだからなんです。"ニューオーリンズ"と聞くとジャズをイメージする方が多いと思われますが、この町は外輪船でも有名なんですよ。そして外輪船の船内ではジャズの演奏が映画の舞台となった時代から現在にわたって行われてもいます。まさにコラボレーション!死ぬまでに一度はここ本場の外輪船に乗って、ジャズを聞きながら優雅な船旅をしてみたいものです。

日本の現状

そして、日本国内でもこのような外輪船に乗船可能な湖があります。どこかというと奥只見湖(新潟県)の遊覧船「ファンタジア」と琵琶湖(滋賀県)の遊覧船「ミシガン」 です。本場の外輪船に乗りに行くには莫大なお金がかかってしまうので、とりあえず雰囲気を味わうにはこのどちらかの遊覧船で十分になのかなと思います。本場に行きたいですけどね。

まとめ

さて、いかがだったでしょうか。色々とふくらませて紹介してみたのですが、蒸気船マークトウェイン号(というより外輪船?)の魅力が伝わっていると嬉しいです。

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